ルクさんと嘘

(連載設定)


「ピカピカの新年度一日目を『嘘ついていい日にしようぜ!』なんて言い出した人性格悪いよね」 
「4月1日が新年度っていうのは日本的な感覚ですよ」
「論理的に反論された!」
「エイプリールフールだと、さすがにマスターも乗っかれなかったみたいですね」
「あー、でも今年はついにイースターに乗っかるんでしょ?」
「商売っけが強いですよね、この街の商店街」
「たぶん本場? の、ルクさん的にはどう思うの? 宗教行事とか、あんまり上辺だけなぞったりされても嫌だったりしない?」
「そうですねえ……。個人的な感想としては、とても素晴らしい商戦だと思います!」
「あっ、珍しく力強く」
「花だって、花言葉があったほうが売れるんですから。伝統やストーリー性での付加価値って大切ですよね」
「王子様フェイスでなんて夢のないことを。ごめん、ルクさんお店番しながらそんなこと考えてたの?」
「まぁ冗談ですよ」
「いや、目がマジだったし…」
「エイプリルフールです」
「エイプリールフールを悪用しないで」
「じゃあ応用しますか? “真実しか言ってはいけない”みたいなルールにしたりして」
「そんなルール作るほど普段から嘘とかつきませんって……」
「実は自分、人間じゃないんですよ」
「結局嘘じゃないですかぁ!」
「ふふ、そうですね。そこに気づくとはやはりさんは素晴らしい」
「もー、また馬鹿にしてー!」